つくば国語塾

つくばにある小・中・高・既卒を対象とした国語(他に小論文・AO推薦対策・英語)の塾です

ジャパンeポートフォリオの衝撃(1)

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

連休中に毎日新聞が以下の記事を掲載しました。

 

大学入試の調査書電子化へ ボランティア経験など記載 高校生自ら登録も 文科省

 

文部科学省は、2022年度に実施される大学入試から、受験生の学習態度や学校生活について高校教員が作成する調査書(内申書)を電子化する方針を固めた。大学入試改革で20年度から学力を多面的・総合的に評価するようになることを考慮した。高校3年間の活動記録を登録するインターネットサイトと連動させ、調査書の情報量を増やす取り組みも試験的に始める。

調査書は教員が在学生や卒業生の各科目の評定平均値や部活動など課外活動について記入する書類で、受験生が郵送などで大学に提出する。

大学入試改革では、これまで学力検査重視で「知識偏重」と指摘されることもあった入試を、受験生の能力や個性に応じて(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力(3)主体性を持って学ぶ態度――を多面的・総合的に評価するものに改善する。調査書の変更は(3)を受けた取り組み。現在はA4判1枚の表裏両面だが、大学入試改革で20年度から枚数が無制限になり、ボランティア経験や資格・検定、表彰など記入項目も細かくなる。

 一方、枚数が無制限になると、記入する教員の負担が増す。大学側にも限られた期間で調査書を公平に比較できないのではないかとの懸念がある。このため、19年度から調査書の電子化を関西学院大に委託し、記入から入試での活用までの負担軽減の方法を検証する。

 また、文科省の委託を受けた同大など8大学が開発し、17年に開設されたサイト「ジャパンeポートフォリオとの連携も模索する。同サイトでは高校生自らが、生徒会や部活動に加え、自主的な調査や論文、災害ボランティアなど校外の活動記録を登録。記載内容が事実かどうか教員が承認する仕組みとなっている。調査書にサイトへアクセスするリンクを張り、大学側が調査書の内容を詳しく確認することができるようになる見込みだ。

 電子化には高校のパソコンなどの校務支援システムを改修する必要があり、都道府県の費用負担など課題もある。文科省の担当者は「電子化することで調査書の情報量は増え、大学が多様な評価をできるようになる」としている。

(転載ここまで)

 

上記の記事はその後に後追いの報道がないことから、毎日のスクープと言えますが、文科省の既定事項の解説記事でもあり、全体として新しい情報があるわけではありません。しかし大学受験や高等学校学校関係者以外が知らない情報が含まれている点で考えていかなければなりません。

 

先ず、大学受験・高校生にとっての「ポートフォリオ」と「ジャパンeポートフォリオ」について以下にまとめられています。

 

toyokeizai.net

 

eポートフォリオは何種類かありますが、文科省肝いりの「ジャパンeポートフォリオ」はもう全国の4分の1の高校が導入していて事実上の標準となる可能性が高いです。

 

全国の進学校の高校1年生や2年生の多くが実験段階にせよ、利用している模様です。しかし、どのように利用したらいいのかが、いまいちはっきりしないので、生徒も先生も戸惑っているようです。(特に地方の高校)

 

一方参加を表明している大学・短大も昨年で91校にのぼり、具体的な選考内容にどのように影響があるのかわかりませんが、積極的な姿勢であることは間違いありません。

 

 アメリカで一般化されているeポートフォリオが日本の大学での選抜ツールで歓迎されているのは、大学側に就職への接続を見とおしているのことも大きな原因だと思われますが、高校側にも大きなメリットがあります。高等学校の現場の先生から見れば、今までの調査書や推薦書などの業務の軽減化が計られるからです。

 

このように高校と大学の両者にとってメリットが考えられる、電子化に対して懸念材料はないのでしょうか?

                        (この項続く)