大学入試現代文探訪
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
記述問題について先延ばしが決まり、何となく国語はセンター試験の延長線上にあると考えられていて、何やら安堵感が漂う現代文界隈ですが、昨年から出版されている国語(現代文)の学参は共通テスト対策として記述問題を意識したものになり、久しぶりに記述に関してフォーカスしている本も散見できます。
その中で注目される2冊を取り上げました。
1冊目は「無敵の現代文記述攻略メソッド」です。河合塾の小池先生が書かれています。記述問題が得点源になるというコピーの下に「記述問題ができれば、すべての問題は解ける!」と書かれています。記述の練習によって現代文の力を上げさせることを考えています。
まさに王道です。マークシートさえできればよいとするセンター試験と一線を画するものです。
次にご紹介するのは「大学入試対策 初歩の初歩」シリーズの「 安達雄大の ゼロから始める現代文」です。代ゼミの安達先生の著作です。読ませていただき、「新たな現代文のスタンダードな入門書」と感じました。
現代文は「田村のやさしく語る現代文―代々木ゼミ方式」や「船口のゼロから読み解く最強の現代文 (大学受験Nシリーズ)」 が入門書としての地位を保っていましたが、田村先生の本は絶版となり、船口先生の本は10年前の出版のため、その間隙を縫ってこの本がその地位を占めるかもしれません。
しかし、この本には3つの問題があります。
①そもそも日本語を読み慣れていない生徒には難しすぎる。
②理系チックな説明に文系の生徒がついていけないのでは。
③テクニックが過不足なく書かれているが、本当に読者が理解できるか。
などなどです。
現代文参考書のジレンマは日本語が不得意な読者に日本語で伝えることなのです。