実況中継<できない子には理由がある①>
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
今回は新シリーズとして勉強をあまりやってこなかった、中学3年生の生徒さんが今何をやるべきかを考えながら、同時進行で一人の生徒さんの状況を報告したいと思います。
(個人のプライバシーに関わるので、名前・性別・在籍校等は伏せています。)
9月期の生徒さんの状況は以下の通りでした。
国語:小学校5年生程度の漢字力。(理科・社会の教科書の漢字が読めないことが多々ある。)
数学:かけ算九九が不十分。
英語:主語・述語の概念がない。
理科・社会:教科書を読むことに問題あり。覚えることを意識的に行った形跡なし。
定石から言えば国語力を上げなければ他の科目も上げることはないはずですが、日本語を発声する習慣がなく、黙読だと飛ばし読みをしている危険性があり、音に出して日本語を読む習慣を定着させたいため、ゆっくり目の前で読んでもらうことで、信頼関係の確立に努めました。
数学(算数)九九が言えない、曖昧な部分が6/81あり、基礎的な計算力を盤石にすることが先決でした。しかし本人は「九九はできる」という発言を繰り返します。多分勉強で100%を達成する経験がなかったのではないかと考えられます。更に計算力が上がると頭の中にリズム感が生まれます。音読と計算力は実務能力を上げるのに必須です。
<補説>
小学生に見かけられますが、足し算・引き算・かけ算で特定の問題が解けない生徒さんがいます。例えば100マス計算を実施しても一つでも間違っていれば0点というルールを厳密に守らなければ意味がありません。要は指導者の絶対覚えてもらうという意志の問題です。
任天堂のDSには蔭山英男先生の100マス計算・プレ100マス計算のソフトが揃っています。(特にプレ100マスは優れたソフトです。)ゲームで文句を言う生徒はいないので、ゲーム感覚で計算力を付けることがよいのではと思いました。現在DSソフトは値崩れを起こしています。100円〜500円で上記のソフトが購入できます。
朗報ー医学部編入試験に合格したかつての教え子ー
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
本日は話題を変えて、教え子が国立医学部の編入試験に合格したことをご報告させていただきます。
彼は地元の公立高校を卒業し、二浪した後関東の某国立大学の生物系の学部に入学しました。その後大学院の修士課程を修了し、大手コンピューター会社のSEとして働きながら、医学部の編入試験の準備をしていました。
苦節?年でしょうか。彼は挑戦を続け、今年某国立大学医学部に2年次編入を果たしました。彼から学ぶことはたくさんあります。
★決して諦めないこと。
大学入試・大学院試・医学部編入試験、彼は十数年間の間に難関と言われる入試にチャレンジし続け、最終的に勝利しました。「勝利の秘訣はやめないこと」を地でいく経歴です。
★メンタルの強さ。
諦めないことと同義ですが、とにかく「めげない」。周囲の心配をよそに本人は着実にゴールを目指していたのだと思います。
MK君おめでとう。人生は長い、少しの寄り道は人生のスパイスになるというのは君のためにあるのだろう。
《医学部編入試験情報》
どうしても医師になりたいけど、数学や理科が不得意な方には耳寄りな情報です。国公立大学医学部の編入試験は基本的には英語・生物(大学院レベル)・面接で受験できる大学が多数あります。更に試験日は全て異なっているため、5校〜8校程度受験可能です。もちろん激戦ですし、社会人の経験や大学院での研究について、面接で詳細に聞かれますので、面接も重要です。
続続効率的な中学英語勉強法(英語教育の動き方④)
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
四回目を迎えたこのシリーズ。今回はTipsをお送りします。
(1)中学生の英語の学び方は短時間でもいいから、毎日行うことです。その際英語の音を聴いて真似して発音するすることが勉強の80%と考えて結構です。学校の宿題として自学ノートに文字を書くことが勉強だと考えることが大きな間違いです。
音声を中心に勉強することが勉強時間短縮の秘訣。
(2)問題集は同じ単元の問題を何度も解くようにできています。いくつかの単元を横断的に2〜3問づつ解く方が効率的です。いつも問題集は最初から最後まで解くように考えずに、横串で刺す感覚で進めた方が良いです。特に中学生レベルの問題は応用的な問題が少ないので飽きてしまいます。
2〜3の単元を横断的に2〜3問づつ勉強する。その際、最初に口だけで言えるようにしてできなかった問題だけ書くようにすれば効率的。
(3)単語が覚えられないのは、中学1年生の間の2〜3ヵ月間集中して単語の読む練習と書く練習をしてこなかったからです。この期間に発音と綴り(スペル)を体感しながらその規則性を学んでいきます。(所謂フォニックスのベーシックな習得です。)ここができていれば中2、中3でスペルミスはなくなります。
多くの生徒さんや親御さんは単語のスペルが書けないのは、書く練習が足りないと思っているようです。
違います。
ちゃんと文字(スペル)を見ながら、読む練習が足りないからです。
日本語の漢字にも言えますが、学校は単純作業を何回もさせることを好みます。これは誰もができ、全員に課すことができる宿題として都合がよいからです。
単純暗記は1回で、視覚、聴覚を活用しながら覚えようとすることが大事です。
続効率的な中学英語勉強法(英語教育の動き方③)
こんにちはつくば国語塾の塾長です。
前回に続き、現行教科書での中学生の英語勉強法を考えて見たいと思います。
前回は文法事項を学校よりも先取りして1年間分を早く終わらせることを述べました。
つまり現在
中1ならば中学1年生の文法事項(be動詞からcanまで)
中2ならば中学2年生の文法事項(現在進行形から受け身まで)
を素早く一通り終わらせその学年を俯瞰して見られるようにすることです。
復習は学校で行うこととして、とにかく早く全体像を把握することに力を注ぐべきです。
更に英検を頻繁に受験することでモチベーションも維持できると考えられます。
現在英検は年間6回まで受験できます。有効に活用して、中学生で準2級を取得できれば高校生の時に準1級に到達することが容易となるでしょう。
上記の方法が学校を無視することで、できあがっているように感じられますが、実は学校の定期テストも変化が起きていることをご存じでしょうか?
学校で使用されているワークが教科書準拠ではなく文法単元(非準拠)へ変化しています。これはまだ一部の学校ですが、2学期制を実施している学校が増えている中学校では定期試験の教科書範囲が広く、特に英語では教科書の細かい事項まで出題されないことが増えてきています。
以上のことを考えると、英語は学校のペースで進ませるのではなく、より先取りの戦略を考えることが最終的に、高校入試・大学入試に有利に働くことがおわかりになったと思います。
でも....................。
具体的にどうすればいいか?
一人でできるのか?
つまずいたらどうしようか?
ネイティブに教わらなければいけないのか?
初期の段階では日本人の指導者の方がうまくいきます。
それはつまずく点をよく知っているからです。
英語だけ最高の環境ばかり考えてもうまくいきません。
最高の環境を求めるなら留学した方が手っ取り早いですよ。
日本人がコツコツ勉強して英語を上達させ、しかもネットの環境を存分に活用することで日本語と英語の両方をできるには文法事項のマスターと音声による学習をバランスよく行うことに尽きます。
私がお手伝いします。
効率的な中学生の英語勉強法(英語教育の動き方②)
こんにちはつくば国語塾の塾長です。
前回、中学英語教科書の改訂による英語学習の対応の必要性に関して申しあげました。
結論的に申しあげれば、教科書に沿った学習よりも1年間の文法事項を先に速習しておくことの方が学習効率が上がると思われます。
既習項目と新しく学ぶ項目が交互に出現する教科書で勉強する現在、何をやっているのかわからなくなる生徒さんが出てもおかしくありません。
中学1年生・2年生で「今英語が学校で何をやっているか」を言えない生徒さんが増えています。貴方のお子さんが該当していたら、注意信号です。
英語だけは先取りをすることが絶対必要です。
ではどのように家庭で先取りをすればよいでしょうか。
以下のものを御用意ください。
(1)英語デジタル教科書
(2)中学全範囲の英文法問題集
(3)可能なら教科書ガイド
(1)は学校で使用されている教科書のデジタル版です。本年度から個人が誰でも
購入できるようになりました。パソコンやタブレットでネットに接続できる
環境があれば、家庭で素早く購入・利用ができます。(1部500円以内です。)
→ご不明の場合にはメールでお問い合わせ下さい。
(2)市販の問題集なら何を使っても結構です。
→何を買えばよいかわからない場合には私が
お薦めする本をメールでお答えします。
(1)を利用して、1日15分で良いので教科書の単語と本文をスペルが読めるように真似をして下さい。見本で読めるようになったら、次に次にと進めて下さい。学校の進度は無視して、読み飽きたら次に進めます。1ヵ月〜2ヵ月ぐらいで教科書が終了します。
(2)(1)に合わせて文法単元を学習します。一人で文法を学習することが難しい場合には、ネットの動画授業を見ていってもいいです。その際には問題集はその動画授業に合ったものを利用して下さい。
→わからない場合には私に問い合わせ下さい。
概要がつかめましたら、英検を目標に学校を無視して進めていきましょう。
英検5級→英検4級→英検3級→英検準2級と中学1年生〜2年生に合格すれば言うことはありません。
軌道に乗って英語学習が家庭でできるようになれば最強です。
しかし、うまくいかなかったら?
弊塾にお任せ下さい。
ZOOMでリモート授業を実施します。
中学生に体系的な文法は不必要か(英語教育の動き方①)
本年度より新指導要領による教科書が中学1年から開始され、大きなショックを受けています。
①小学校で習う英単語が再学習され、発音・スペルのマスターが必須となりました。これが、ユニットごとに散りばめられることで、英単語習得の負荷が高まっています。
②ユニットごとの学習がバラエティに富み、文法的な体系を無視し、日常で使うフレーズの学習に終始しています。
New Horizon(東京書籍)では、中1のイントロダクションとして、
UNIT0で
命令文 Make groups of four.
疑問詞 What food do you like?
不定詞 I want to
助動詞 I can
が登場します。
もちろん上記のことは小学校で履修済みという前提があるからです。
unit1では
be動詞・一般動詞の疑問文、更にcanの再登場で、単元ごとに学習をすると言うより、何回も繰り返し復習をさせようとしています。
unit2はbe動詞・一般動詞の復習と疑問詞と複数形についてです。
ここまでを見ていくと、学習事項を何回も繰り返し行うことで、定着を目指している点は語学学習として優れていると言えましょう。私も大いに賛成します。
しかし、定期テストなどでどのように出題され、採点されるのかを考えてみると話は違ってきます。週4時間の授業でunit内の全ての事項を網羅することはかなり難しく、先に生徒が学習していなければ成立しないのではないでしょうか。
以上の点で学力を評価することにおいて二点の(暗黙の)前提を変更しようとしている点に注意をすべきです。第1点は試験範囲となる教科書の全てが出題範囲となるわけではないこと。第2点は復習を前提とするとそもそも試験範囲の学習だけではテスト勉強が成立しないことです。
ではどのような対応をすべきなのでしょうか。考えられる対策は学校よりも早く文法事項をさらってしまうことです。中学1年生であれば夏休みに中1の全範囲をさらっておくことをおすすめします。いつからでも遅くはありません。復習よりも予習を勉強の中心に置き、復習は学校での勉強と定期テストの準備の中で行うと言うことです。
これは文法の学習が細切れ状態で、英語の学習がフレーズ理解だけになることによる弊害を阻止することが可能になると思うからです。
結論を言えば、中学校レベルで体系的な英文法は必要はありません。しかし、知的な活動を行うための英語理解には文法は絶対的に必要であり、そのために初期英文法から体系的(論理的)に勉強することはその後の英語学習に決定的な変化をもたらすのではないかと考えられます。高校英語の文法に苦労している高校生を数多く見かけるようになりました。
学校よりも先取りをしなければならないとしたら、塾や家庭教師に依存しなければならないとお考えでしょうが、家庭内で十分可能だと私は考えています。特に塾で今まで通りの一斉授業で英語を文法を中心に教わっているなら、音声を中心の勉強に切り替えなければ、英語に関して塾で勉強する意味はなくなります。
次回に中学生の英語の効率的な勉強法について具体的にお話します。
英語と国語を一緒に勉強する。
(1)最近気がついたこと(英語ブームとAI技術)
またブログを再開します。英語ブームが再燃しています。理由をいくつか挙げてみます。
①小学校の英語が4年生から開始され、教科として正式に成績がつけられるようになった。
②高校入試で英語外部検定(主として英検)が私立高校を中心に推薦・一般ともに英検の取得級を判定の参考にしたり、得点化しているケースも見られる。
③大学入試では、従来の推薦での英語外部検定利用による合否判定や得点加算、スコア提出に加えて、一般受験でも利用される場合があり、英語力が受験前に求められることもある。
つまり、小学生から高校生まで英語でずっとプレッシャーを与えられている状況にあります。これは大学で外国語を学ぼうとする外国語学部や国際系学部だけに止まらず、文系学部で全般に求められはじめています。英語ができなければ、人にあらずの状況です。
一方、AIによる英語→日本語・日本語→英語の翻訳がPCやスマホ上で簡単に行えるようになり、利用している方はご存じでしょうが、そのクオリティには驚きです。専門家ではないので断言は控えますが、4〜5年前からビッグデータの活用による翻訳技術が格段に向上し、普通の日本人が無理して英語を学ぶ必要性があるのかが疑問に思えてきます。
このままAIが進歩すると、数年後には英語ができないことがハンディキャップとならない時代が到来する可能性がでてきました。もちろん英語で直接海外の人々とコミュニケーションできることの価値は大きなものであり、パーソナルな関係を築くために言語(主として英語)ができることは大切です。
しかし、日本国内に暮らし、海外に生活のウェイトが高くない人でしたら、英語をそこまで勉強する必要がなくなるわけです。このような状況で英語業界は縮小するマーケットに対して「最後の戦い」をしているのかもしれません。
はたして日本人全員が英語ができないといけないのでしょうか?