つくば国語塾が目指す方向ーRST調査から見えること(2)
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
RTS(リーディングスキルテスト)の概要をご理解いただいたと思います。
最近この本が出ました。
教育に携わっている方なら小中学生の読解力の問題が深刻なのは了解済みだと思います。
論点整理は次回にさせていただくとして、のぞき見的に筆者のTwitterの発言を見ていくと..........。
〇東ロボを5年間やった素直な感想として、センター入試は非常によく練られているなぁ、と。「選択式=ダメ」「センター=知識を測っている」は単純すぎる図式だと思います。
〇2万5千人のリーディングスキルテスト、わかったことは、中学生の分散が非常に大きく、高校偏差値と高校1年生のリーディングスキルテスト能力値の相関が0.8もあることでした。
〇現状の高校教育では高校1,2年生の能力値に統計的有意な差はなく、事実上、中学3年のリーディングスキルテストの能力値によって進学できる高校の偏差値がほぼ決定されます。生徒は「自分はそれなりに読める」という意識なので、早期に診断をして誤読の癖などを修正するとよいと思います。
〇今回の調査は、科目としての国語力を測ったものではありません。教科書も国語と英語は用いていません。「事実について書かれた短文を正確に理解する力」を測っています。国語が得意かどうかと本調査の能力値との間に相関は特にはない、という結果です。また、読書が好きかどうかとも相関はなかった。
〇にもかかわらず、進学できる高校の偏差値との相関は0.8です。つまり、生活・読書・学習習慣とは関係ないのに、進学できる高校を決定するような能力値だということです。一方、中学で能力値が上がるという点で知能テストとは違います。
〇読書が好き・読書してる、と「事実に関する短文を正しくよむ力」は科学的には「関係ない」としか今のところ言えません。まぁ、大人でも同じような自己啓発本を月に三冊読んで読解力あがる気がしないし・・・読書の内容や質が関係するんでしょう。
〇「これほど多忙で疲弊している中学や高校が、なぜ2万人以上の規模で協力したのだろう」とは思いませんか?私に権力などないし、教育委員会は強制していない。これは現場の声です。こんなに教科書が読めてないのに、アクティブラーニングとかプログラミングとか英語とか無理ですとう声なき声。
現在の学校教育の中で読解力の養成が出来ておらず、読解力の差が学力の差として考えられる状況となっているとまとめられると思います。