ジャパンeポートフォリオの衝撃(2)
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
前回から1ヶ月経ってしまいましたが、ポートフォリオによる大学入試の懸念材料について、考えてみたいと思います。
大学側、高校側両者の思惑が一致するこのシステムは、日本の大学入試では推薦・AO入試の選抜材料にされることが、最も有力です。これは、従来の書類による出願(特に課題提出や実績の添付などを求められる場合)の代替利用が現実的だと思われるからです。
現状の推薦・AO入試は指定校推薦を除けば、「書類(審査)」「面接」「論述試験」の混合された形態となっています。この中で「書類」の割合が高くなることは必然だと言えます。
何故なら、学業の成果をポートフォリオ上で示すためには、レポートを最低3本以上は書かなければならないと想定されるからです。(これは無制限に情報をサーバー上に載せておくことが可能なことを想定しています)
このことは、レポートを指導する能力を高等学校側も持っていなければならないことを示しています。
理系でしたら、実験、観察レポートに対する指導が必要ですし、文系は人文・社会科学に関する研究レポート指導が求められます。難関大学なら、1ヵ月以上かけて5000字以上の論文を書く必要があるのではないかと予想されます。
上記のパフォーマンスを文系で考えてみると「研究意図」「テーマ設定」「図書選定」「章立て」など教員修士以上のアカデミック経験が求められます。
もう一点は地域格差に関わる点です。特に文系は学習活動として、高校生も対象とするセミナー・講習会などに参加できる大都市にいない場合、校内の学校主催イベントに参加するのが精一杯ではないかと推測され、地域格差とともに学校間格差(情報)も生じるのではないかと心配されます。
以上のことを考えると、
主体性を持った生徒を指導でき、情報環境が豊かな場所(高校)にいる生徒と
そうでない生徒の間の格差が問題だと感じられるシステムです。
つくば国語塾はジャパンeポートフォリオに準拠しながら、大学へ申請できる
サービスを一緒に考えていける場所です。