新しい教養の源流(1)-東大教養
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
混乱の大学入試改革(高大接続改革)のスタートとして来年、センター試験
にかわり大学入学共通テストが開始されます。
ここでは、入試改革の是非を論じることではなく、この改革の端緒となったOECDによるPISAテストや国際バカロレア資格の中に内包する「教養」「知」について考えていきたいと思います。
その際に、単なる文系の古典から学ぶという視点ではなく、現在まで続く新しい教養主義の流れを考えられたらと思いました。
最初にご紹介するのは東大教養学部のテキストです。
この後「知の論理」「知のモラル」が続刊され、知の3部作 として話題になりました。
東京大学の教養学部のスタッフが「アカデミックの作法」を新入生に向けて書いた熱い思いを感じる書物です。特に文系の古典崇拝主義からの脱皮を構想しながら、学問の歴史的伝統は壊していないところが、この時代の限界にも思われます。アマゾンレビューでも述べられていましたが、高度情報化社会の入り口の1994年に発刊されたことを考えるといささか古い書物となってしまいましたが、文系全般の包括的な理解には現在でも利用できる書物です。
知の~シリーズの最初に‘’思想‘’ではなく‘’技法‘’が取り上げられていることに意味がある書物です。
東大の教養教育は英語でも同時期に画期的なテキストを生み出しました。