つくば国語塾

つくばにある小・中・高・既卒を対象とした国語(他に小論文・AO推薦対策・英語)の塾です

中学生に体系的な文法は不必要か(英語教育の動き方①)

本年度より新指導要領による教科書が中学1年から開始され、大きなショックを受けています。

 

①小学校で習う英単語が再学習され、発音・スペルのマスターが必須となりました。これが、ユニットごとに散りばめられることで、英単語習得の負荷が高まっています。

 

②ユニットごとの学習がバラエティに富み、文法的な体系を無視し、日常で使うフレーズの学習に終始しています。

 

New Horizon(東京書籍)では、中1のイントロダクションとして、

 

UNIT0

 

命令文 Make groups of four.

疑問詞   What food do you like?

不定詞 I want to 

助動詞 I can 

 

が登場します。

もちろん上記のことは小学校で履修済みという前提があるからです。

 

unit1では

be動詞・一般動詞の疑問文、更にcanの再登場で、単元ごとに学習をすると言うより、何回も繰り返し復習をさせようとしています。

 

 

unit2はbe動詞・一般動詞の復習と疑問詞と複数形についてです。

 

ここまでを見ていくと、学習事項を何回も繰り返し行うことで、定着を目指している点は語学学習として優れていると言えましょう。私も大いに賛成します。

 

しかし、定期テストなどでどのように出題され、採点されるのかを考えてみると話は違ってきます。週4時間の授業でunit内の全ての事項を網羅することはかなり難しく、先に生徒が学習していなければ成立しないのではないでしょうか。

 

以上の点で学力を評価することにおいて二点の(暗黙の)前提を変更しようとしている点に注意をすべきです。第1点は試験範囲となる教科書の全てが出題範囲となるわけではないこと。第2点は復習を前提とするとそもそも試験範囲の学習だけではテスト勉強が成立しないことです。

 

ではどのような対応をすべきなのでしょうか。考えられる対策は学校よりも早く文法事項をさらってしまうことです。中学1年生であれば夏休みに中1の全範囲をさらっておくことをおすすめします。いつからでも遅くはありません。復習よりも予習を勉強の中心に置き、復習は学校での勉強と定期テストの準備の中で行うと言うことです。

 

これは文法の学習が細切れ状態で、英語の学習がフレーズ理解だけになることによる弊害を阻止することが可能になると思うからです。

 

結論を言えば、中学校レベルで体系的な英文法は必要はありません。しかし、知的な活動を行うための英語理解には文法は絶対的に必要であり、そのために初期英文法から体系的(論理的)に勉強することはその後の英語学習に決定的な変化をもたらすのではないかと考えられます。高校英語の文法に苦労している高校生を数多く見かけるようになりました。

 

学校よりも先取りをしなければならないとしたら、塾や家庭教師に依存しなければならないとお考えでしょうが、家庭内で十分可能だと私は考えています。特に塾で今まで通りの一斉授業で英語を文法を中心に教わっているなら、音声を中心の勉強に切り替えなければ、英語に関して塾で勉強する意味はなくなります。

 

次回に中学生の英語の効率的な勉強法について具体的にお話します。