つくば国語塾

つくばにある小・中・高・既卒を対象とした国語(他に小論文・AO推薦対策・英語)の塾です

デキる人がやっている読解講座(1)-評論読解の心構え

こんにちはつくば国語塾の塾長です。

 

今回から、国語、現代文の指導に関して私が心がけていることを

述べていきたいと思います。

 

第1回は「心構え」です。

 

あなたは現代文(国語)が得意ですか?

 

国語の苦手意識が強い生徒さんは、難しい言葉で飾り立てられた文章が

並んでいる課題文を読むこと自体が苦痛です。

 

こんな具合に読んでいませんか?

 

「一文を読んで理解できなかったら、そのまま次の文を読み、更にわからない部分が増えたことを感じながら、次の文を読む。時には理解できる部分があり、その部分を繋げて全体を想像する。」

 

もし、上記のような読み方をしていたら、それは読解ではなく、想像(妄想?)ですよね。

 

多分、課題文には色々なことが書かれているが、自分には難しすぎて、理解できないという結論になると思います。

 

発想の転換をしましょう。

 

評論文で言いたいことは一つです。

 

文章に書かれているのは、

 

言いたいことの言い換えが書かれている部分

言いたいことを強調するために反対(か対比した)ことが書かれている部分

 

の2通りしかありません。

ただし文章をつなぐ論理(順接や逆説、因果関係)も含まれていますが、これは別に考えることとして、とにかく言いたいことだけに焦点を絞って考えることが重要です。

 

文章を読んでいる時に、わからない文が出てきたら、同じことを言っているのではないかと考えるクセが重要です。わからない文章を飛ばすのではなく、前後に出てきた文章と同じか逆のことを言っているかだけでも推測できたら、次の文章を読む準備はできたと考えるべきでしょう。

 

これはテクニックではなくて心構えです。

 

『賢者は美味しい林檎は一つだけ手に入れ、愚者は不味い林檎で手をいっぱいにする。』(ビアード・ベアー)

国語虎の巻(2)鈴木信一

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

国語虎の巻第2回は鈴木信一氏です。受験にかかわる本としては3冊挙げられます。

 

受験生のための 現代文読解講座 (教育単行本)

受験生のための 現代文読解講座 (教育単行本)

 

 

 

800字を書く力 (祥伝社新書 102)

800字を書く力 (祥伝社新書 102)

 

 

 

書く力は、読む力(祥伝社新書)

書く力は、読む力(祥伝社新書)

 

 

ノウハウを伝えるのではなくて、そもそも「読むということ」、「書くと言うこと」を丁寧に説明してくれています。「書くこと」を中心に考えると小論文の初歩として手に取ることもいいかもしれません。

 

とにかくやさしく説明してくれているので、読むことに慣れていない方にはおすすめです。でも中身は本格的なので、実践に苦労するかもしれません。

 

 

国語虎の巻(1)対崎正宏

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

今回から、私が参考としている国語に関わる、参考図書を虎の巻としてご紹介します。

多分どこでも取り上げられない本ですので、賛否は分かれると思いますが、ご参照下さい。尚、ここで取り上げるのは著者であり、複数の本があることをご了承下さい。

 

先ず、第1回は「対崎正宏」氏です。彼の著作は現在3冊あります。

 

中学受験用ですが、対崎現代文を理解するのでしたら、ここからスタートするべきでしょう。

中学入試国語 ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法

中学入試国語 ついざき式 本当の読解力を身につける50の方法

 

 

大学入試センター試験を扱った2冊です。 

現代文〈小説〉の読み方 (αプラス入試突破)

現代文〈小説〉の読み方 (αプラス入試突破)

 

 

 

現代文〈評論〉の読み方 (αプラス入試突破)

現代文〈評論〉の読み方 (αプラス入試突破)

 

 

特に、小説問題に苦しんでいるときに、参考になるかもしれません。評論はあまりお薦めはしませんが、小説と一貫性のある説明をしていますので、対崎現代文を極めるには必要かもしれません。

 

ご注意いただきたいのは、私自身が対崎現代文のメソッドで全て読解を行っているのではありません。(むしろ、まだその域に達していないと言うべきでしょう。)

 

名著が万人に役に立つことはないのは自明ですが、特に国語(或いは現代文)という教科の特殊性が更に追い打ちをかけます。つまりよい本(参考書や問題集)を与えられても、それを読みこなす力がなければ意味がないのです。

 

国語には万能薬(万能参考書?)がないので、指導者が生徒のレベルを計るのが最も重要です。

 

 

私大異変ー2018年問題・合格者制限・東京私大定員抑制

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

皆さんは大学受験に関する標題の三つのワードをご存じでしょうか?

 

先ず、2018年問題です。このあたりの説明を参照下さい。

 

次に、合格者制限についてです。(昨年度のデータです)

 

私大定員抑制については以下に。

 

簡単に言えば、少子化でありながら、長年、私立大学が大学新設・新学部創設・定員増加を行う中で、地方私立大学を中心に、定員割れを引き起こしていたことの解決策として文科省が、補助金を武器に大規模私大に対して、合格者の削減を行い、更に東京23区の私大限定による定員抑制も加えて、地方の私大の定員充足率が上がったという状況です。

 

具体的な私大の変化は、関東では早慶上智GMARCH日東駒専というヒエラルキーの順に玉突き的に難度が上がったため、3年前より全体で難化していると言わざるを得ません。(関西でも同様のことが起こっている模様です。)

 

来年もこの傾向が続くのかわかりませんが、一つの提案として、難度の変化が少ない国公立を視野に入れることが重要かもしれません。

 

私立受験者の安易な3科目受験が、裏目に出た格好です。

 

 

 

都立高校国語と慶應大学文学部の小論文が同一出典

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

今年の都立高校の国語の説明文は、國分功一郎氏の「中動態の世界 意志と責任の考古学」が出典でした。

 

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)
 

 実は、慶應大学の文学部小論文も同一出典です。

 

 

昨年度出版された評論本で、上記の本を挙げる識者が多かったことは事実です。思想界では人気の本でした。

 

もちろん、異なった部分が課題文として出題され、都立は傍線部の意味を問う問題であるのに対し、慶応は小論文として全体の要旨を聞く問題となっています。

 

このことをどう捉えればいいのでしょうか?

 

以前都立の国語の問題のクオリティの高さについて述べました。

 

http://blog.hatena.ne.jp/kokugo-juku-tsukuba/kokugo-juku-tsukuba.hatenablog.jp/edit?entry=8599973812321271885

 

設問も高校入試として適度ですね。

ここでも、都立高校の問題作成チームの感度の良さに敬服したいと思います。

生きのいい文章を読ませたいとする気持ちがあふれていますね。

 

 

語彙について考える

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

前回に続いて、語彙の獲得に関する記事を見つけましたのでご紹介します。

 

こちらです。

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特に最後の部分を抜粋します。

子の目線に下りて話しかける必要はない。「大人のことば」を遠慮なく子に投げかけ続けていくことこそが、子が新たな語彙を獲得できる一番の手法ではないか。こう考えると、親子の普段のコミュニケーションのあり方にポイントがありそうだ。

わたしが自身の経営する中学受験専門塾で2年前から始めた「ことばしらべ」を紹介したい。子どもたちがぐんぐんと「語彙」を強化できる効果的な手法である。ことばの意味を辞書で調べさせるだけでなく、必ず例文を作成させるのがポイントだ。

わたしは文章に登場することばをランダムに3語選び、その3語を用いて80字~120字の例文を作らせている(1語だけだと辞書に載っている例文を丸写しするだけだ)。これによって、辞書を引いたりネットで検索したりするだけでは文章を紡ぎ出すことができない。それぞれのことばの連関や意味について時間をかけて熟考し、丁寧に例文を仕上げていくことになる。この「熟考」の時間こそが、子どもたちの語彙を育む大切な一時となる。

ことばを獲得することは世界とのつながりを体感できるということである。すなわち、語彙が増えれば増えた分、自身の世界観は大きく広がっていくのである。多くのことばを獲得すればするだけ、子どもたちの世界は広くなる。新たなことばを手に入れることで深い喜びを味わえるのだ。

そして、その喜びを子が自ら経験できるよう導いていくのが、わたしたち大人の責務であると思う。

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国語力・読解力のまっとうな努力が文章に垣間見えます。

 

 

読解力を考えるための一つの仮説

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

読解力を考えるために、非常に示唆的な文を見つけました。

 

これです。

 

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この中で注意すべき部分を抜粋します。

 

「子どもたちが持っていることばの総量は、昔と比べて劣っていることはない。むしろ、膨大な情報に囲まれているぶん、語彙量は増えているのではないか。しかしながら、最近の子どもたちは『和語』に弱くなっていると感じている。これは、わたしたちが当たり前と考えていた文化、環境がいまはかなり変わってしまっていることが原因かもしれない」

 

少し古いが、河合塾で主として大学受験科生を対象にした入塾時の「学力診断テスト」のデータが公開されていた。一九九六年と二〇〇四年に同一の国語の試験を実施し、その得点状況を比較している。母集団の層が同一のレベルとは限らず、正確なデータとは断言できない。しかし、ここに子どもたちの実に興味深い「変化」があらわれていたのだ。

これによると、子どもたちの「読解力」「論理的思考力」にはさほど変化が見られないとしているが、「語句・慣用句」という基礎知識の正答率がかなり低下しているらしい。

 

つまり、わたしたちの世代と比して、いまの子どもたちの日本語運用能力は、質的に偏りがみられるということだ。読解力がさほど変化していないにもかかわらず、最近の子どもたちが「語句・慣用句」に弱いという先のデータはその好例であろう。

 

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読解力を考えるときに、語彙の問題は大きいのですが、上記の筆者は「和語」の中心と思われる形容詞の重要性について述べています。他の部分では文法(係り受け)についての重要性についても言及しています。

 

LINE利用による、読み方の変化はAI読みに繋がっているようです。