英語の古くて新しい話①(構造分析VSスラッシュ)
こんにちはつくば国語塾の塾長です。
ご無沙汰しています。
本日より新しいシリーズ「古くて新しい話」を開始します。筆者は現在、英語を指導している立場の人間ですが、1970年代後半に高校と予備校で英語の指導を実際に受けていた経験があります。その当時スラッシュリーディングは存在しておらず、英文を構造的に読む方法も一般的ではありませんでした。どちらの読み方にしろ、予備校の先鋭的な一部の先生が利用しているものであり、本も存在しない地方の高校生から見れば、学校の訳文主義の授業によって(今と比べれば短い文章を)何とか訳す訓練と単語の習得、英文法の理解で受験は乗り切れたものです。
ここで構造分析とスラッシュリーディングについて説明させていただきます。
《構造分析》
所謂5文型を基礎として、それぞれの文の要素と修飾・被修飾関係を丁寧に分析し、英語を日本語に変換していく。
キーワード:インテンシブリーディング、精読、5文型、返り読み
《スラッシュリーディング》
英語を前から読むために、文法的(一部意味的)な区切りをもとにして、スラッシュ(/)を文中に入れ、文章を読み進める方法。
キーワード:速読(ラピッドリーディング)、パラグラフリーディング
構造分析は古くさい読み方、スラッシュリーディングは今時の読み方のように見えます。特にセンター試験、共通テストの英語が難解な英語ではなく、実用的な英語の理解を目指している限り、ある程度のレベルの英語を時間内に処理できるためには、スラッシュリーディングを利用することが、必然のように感じます。本当でしょうか?
特に、共通テストは時間との闘いであり、スラッシュで読まなくても大体の意味を取るためには、スラッシュ的な読み方が推奨されています。構造的な読み方で精読する必要はなくなったのでしょうか?
現在の共通テスト英語対策はセンター試験時代に輪をかけてスピード一辺倒です。長文を読むことはスピードを上げることであるとし、読めない部分を飛ばし読み、読み終えたらもう一度スピードを上げて読む。読めない箇所はいつまでも残ります。
そこで受験生諸君は想像たくましく、わからない部分を埋める作業をするのですが、最近の生徒さんは想像力が乏しいためか、諦めてしまい、自分にとっての最適解ではなく単なる「運を天に任せる」解を答案用紙に書き込みます。
共通テストの英語の得点が上がらない理由は基礎力がない生徒が基礎力の補充をせずに、単語さえできればよいとする風潮に流されているからに他なりません。
基礎的な理解の時点で、英文を構造的に読み、論理展開に注意しながら、予測していく(想像ではない)ことが必要だと思います。
英文を読む基礎力ができたら、スピードをあげるためにスラッシュを使うことも自由ですが、国語の読解力を並行させてつけ、論理展開による予測に磨きをかけることが要諦です。
英文を構造的に読み、
スラッシュでスピードアップさせる。
それを支えているのが論理です。
上記ができなければ、私立難関(早慶上智)や旧帝は英語では到達しません。
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