つくば国語塾が目指す方向ーRST調査から見えること(3)
こんにちは、つくば国語塾の塾長です。
シリーズの3回目は、前回ご紹介させていただいた
について考えてみたいと思います。
この本は4章からなり、RSTに直接関連しているのは第3章です。
3章の私が気になる部分は以下の部分です。(要約ではありません抜粋です。)
○中高校生の読解力が危機的な状況にあるということは、多くの日本人の読解力もまた危機的な状況にあるということだと言っても過言ではないと思われます。
○どこの大学に入学できるかは、学習量でも知識でも運でもない、論理的な読解と推論の力なのではないか。
○知らない単語が出てくると、それを飛ばして読むという読みの習性があるためです。
○中学1年生でRSTを受検することが、読み障害の早期診断、早期支援につなげられればと願っています。
○基礎読解力が低いと、偏差値の高い高校には入れない。
○その学校の教育方針のせいで東大に入るのではなく、東大に入れる読解力が12歳の段階で身についているから東大に入れる可能性が他の生徒より圧倒的に高いのです。
○もしかすると、多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも。そんな予感めいたものを感じています。
まとめると、
全国2万5000人を対象に実施した読解力調査でわかったことをまとめてみます。
・中学校を卒業する段階で、約3割が(内容理解を伴わない)表層的な読解もできない
・学力中位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない
・進学率100%の進学校でも、内容理解を要する読解問題の正答率は50%強程度である
・読解能力値と進学できる高校の偏差値との相関は極めて高い
・読解能力値は中学生の間は平均的には向上する
・読解能力値は高校では向上していない
・読解能力値と家庭の経済状況には負の相関がある
・通塾の有無と読解能力値は無関係
・読書の好き嫌い、科目の得意不得意、1日のスマートフォンの利用時間や学習時間などの自己申告結果と基礎的読解力には相関はない。
読解力をベースに学習を組み立てなければ、知力の向上は見られないことになります。
特に私たち指導者は読解を論理的な読解と推論を育てる方向で考えなければなりません。
上記の結果はつくば国語塾が提案していることと全く変わりがないことを強調しておきます。