つくば国語塾

つくばにある小・中・高・既卒を対象とした国語(他に小論文・AO推薦対策・英語)の塾です

大学受験生が一般受験の他に考えるべき選択肢①

こんにちはつくば国語塾の塾長です。前回からの続きです。

 

①私立大学への推薦(総合型選抜・学校型選抜の両方を含む)が加熱し、都市圏における大学入試は推薦入試の占める割合が高まったことの現状について考えてたいと思います。

 

ここでは、一般的に流布されている、

 

→私立上位校が学校型選抜での推薦者数を主として私立高校と公立上位校に数多く配布し、定員の充足を早い時期に行なっている。

 

→必然的に一般受験の定員を減らしている。

 

→一般受験を対象にしている模試の偏差値が上がる構造。

 

という図式を前提として一般入試に対する対策を考えてみたいと思います。

 

言うまでもなく、上記指定校推薦を中心とする私立大学の推薦者の増加は、文部科学省の定員厳格化に対する私立大学の対応だったわけですが、一般受験生から多様な人材を採用するという機会の損失が起きている可能性があります。(元々日本の大学受験でのペーパーテストの弊害からみれば、些少であると言えなくはありませんが、問題はルールが変更されているのにそれを公表していないことに等しい現状を誰も非難しません。)

 

結果的に大都市圏では私立の小学入試・中学入試が大学入試のために必須となりますが、大学の附属校だけではなく、推薦枠を多く持つ私立校への熱い眼差しが感じられます。

 

では現在公立高校に通う生徒が5〜10年以上前と同じように

 

「学校の成績が悪い」という理由だけで一般受験だけを考えると間違った選択をしていることになります。

 

少なくとも二つの可能性を必ず自分で考えてみてください。

◎総合型選抜は目標が明確にあり、それを文字に落とすか、口頭で説明できるかが命です。少しでもチャレンジしたい場合には準備すれば可能性はあります。

 

◎単純に憧れの大学や自分の偏差値相応の大学だけを考えるのではなく、一般受験を多めにとっている大学を考えるのが得策です。(自分の入った大学の入学者が推薦ばかりだとモチベーションが下がります。)

 

 

復習しておいて下さい。

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大学受験生が一般受験の他に考えるべき選択肢(序)

こんにちはつくば国語塾の塾長です。

 

お久しぶりです。

 

私立大学の定員管理厳格化が2016年スタートし、一般入試の私立大学難化が叫ばれるようになりましたが、追加合格という奥の手を大学側が出してくるに及び「被害者は受験生」という声が高くなってきました。

結局2023年からは厳格化が緩和に向かい、私立大学の難化は一息つきました。

 

この騒動によって起きた5年以上に及ぶ変化は以下の点です。

 

①私立大学への推薦(総合型選抜・学校型選抜の両方を含む)が加熱し、都市圏における大学入試は推薦入試の占める割合が高まった。

 

②一般入試を考える層と推薦を考える層の二極化が進み、どちらの層を選択するかが高校1年〜2年に決定しなければならなくなった。(私立高校進学の場合には中学入試から考えることが必要。)

 

③筆記試験・面接試験・提出書類など従来の学力を含む多様な選抜が課せられるため、学校でのペーパーによる評価だけではなく、指導者及び本人が適性を考える必要が増えている。

 

上記のことがらは、単なる大学入試の変化と捉えることも可能です。しかしAI時代に突入し、私たちがどような人生を歩んでいくべきかについて考え、進路選択を行うことが求められていることは事実です。

また、産業構造の変化で雇用就業環境が激変し、機械(コンピュータ・AI)を使う側に立つためには、どのような学歴・スキルが必要なのかを予想しながら、単なる前の時代の模倣で人生を決めることは難しい状況です。

私はここで時代を考えるマクロの視点と現実的に大学入試をどのように立ち向かうべきかを提案していきたいと考えています。

 

 

国語塾が開催する英語セミナー(1)

こんにちはつくば国語塾の塾長です。

 

今回は夏休み特別セミナーとして弊塾が開催する英語のZOOMセミナーをご紹介いたします。

 

対象はズバリ英語が苦手な中学生1年生・2年生・3年生です

 

英語は基礎から積み上げなければ、上手く伸びていかない教科です。

特に言語活動(国語や英語)は継続的に毎日行うことを習慣化することで

不得意な状況を打破できます。

 

何故国語塾が英語のセミナーを行うのでしょうか?

「おそば屋さんが作ったうどん」のようなネーミングで恐縮ですが、理由は2つあります。

 

1つめは、私たちは英語と日本語(国語)の共通点を認識しているからです。言語活動の要諦は初期の段階で他者を真似をすることです。つまり文法的な説明を重視するのではなく、音の心地よさを感じることが重要なのです。

 

2つめは、日本語と英語の比較による言語認識を育てることです。最近の中学校は英語を日本語に翻訳することに力を入れていません。もう20年以上前から日本語訳のテストは実施されていませんが、このことで英語の意味がわからず勉強している生徒が増えていることを知ってください。

 

つまり、1つめと2つめをミックスした勉強をしていくことが英語習得にとって肝要であるということです。このことがうまくできないと高校英語との接続が危うくなります。

 

「毎日30分、英語の音読」が合い言葉です。

さあ夏期講習④(方法論編)

こんにちはつくば国語塾の塾長です。

 

国語指導の改革を述べさせていただきます。

 

レベルによって勉強する方法は違います。(でも同じレベルなら学年・年齢は同じです)

 

その概要は以下の通りです。

 

基本的に基礎的な国語力(漢字・語彙・文法・論理系)が理解されているとすれば、課題文を読むことに関して注意すべきなのは

 

推測力

論理性

 

の2点を鍛えることです。

推理力とは文章を読み進め、次にどういう文が書かれているかを予想する力です。私達はともすると文章を味わって読むことに囚われ、先読みする力を忘れています。例えば物語の結末を予想することは邪道もしくはもったいないと考える人もいます。(実は私もそうでした。)しかし、テストで課題文を読む状況では逆になります。速く読むことが正しくなります。文の鑑賞を脇に置き、何が書いてあるかを速く読むことが正義です。読み方に上記のくせがあるならそれを修正することが必要です。

 

論理性とは推測力を支える力です。推測力は論理的一貫性によってできる力です。我々は仮説(予想・推測)を組み立てるときにいくつかの論理を繋げていきます。次の文章を予想できるのは私達の今まで読んでいた文の論理が自分なりに理解しているからに他なりません。

 

この文章を読む際に先を予想する練習を弛まず行うことです。

あなたの頭はフル回転しています。文章を読んで頭が疲れてなければ、それは文章が非常に簡単すぎるか、先読みに頭を使ってないということでしょう。

 

趣味で読書するのではなく、常に情報を取り出すために頭を使うことです。

 

次回は上記の方法をどのように練習・実践するかをご説明いたします。

 

さあ夏期講習③(エピソード①の続き)

こんにちは、つくば国語塾の塾長です。

 

②の続きです。H君は時間的制約の中で文章を処理することができず、「わからなかったら飛ばしながら先を読む」ことに慣れていったのではないかと推測されます。しかし「わからなかったら飛ばしながら先を読む」ことはいつも成功するわけではありません。何故なら自分が理解していない部分を埋めるヒントが文章の先に必ずあるわけではないからです。

 

時間がないから、急いで立ち止まらずに読み進める

 

→理解できない部分がより増えていく

 

→更に理解できない部分が増えていく

 

→課題文をもう1回読み始める

 

国語を理解できない無限ループに入っていきます。

 

速読という呪縛で生徒さんたちは苦しんではいないでしょうか?

 

ではどうすればよいでしょうか?

 

国語の指導法の改良が必要です。

さあ夏期講習②(エピソード1)

こんにちはつくば国語塾の塾長です。

 

今回は寄り道をして、一人の生徒のエピソードをご紹介いたします。H君という生徒さんは中学2年生で5教科の中で国語だけが苦手でした。努力家であるH君は他の教科は自力で中学レベル・高校入試レベルをクリアできることは明白でしたが、唯一国語だけは模試のような初見の問題が解けない悩みを抱えていました。

 

私は、日本語の読み書きレベルについてチェックしましたが、問題ないレベルなのを確認しました。もともと国語の成績が伸びないお母様はH君のために問題集を買ってさせたり、読書が重要だと聞くと本を読ませたりして、国語の勉強を怠っていたわけではないようでした。

 

しかし、上記の状況の説明の中に大きな問題を抱えている点をお母様や本人も認識していないようでした。もう少し簡略化して言うと、国語を他の教科と同様に学習教科(受験教科)として捉えることが大きな問題であるということです。

その理由は以下の通りです。

1)国語は授業や参考書による解説で理解できる教科ではないこと

2)個人差による理解が全く違うため、標準的な学習プログラムが上手くいかないこと

3)例えば数学(算数)ならば四則演算ができなければ、そこまでもどらなければと考   えるが、国語にはそういった思考がないこと

 

もちろん、一部の生徒は授業や参考書で理解でき、一気に学力が向上する例が見受けられますが、基礎的な学力の欠如の他にも「飛ばし読み」をすることで学力が一向に上がらない生徒もいます。

 

特にスマホの普及で、以前よりも日本語を読む量が増えているのにも関わらず、自分の理解できない部分を飛ばして読む「読まず飛ばし」が増えているように思われます。

また、スマホの普及以外にも中学受験などの試験ズレを起こしている生徒は全ての課題分を精読する習慣がなく、試験時間内に課題文をつまみ食いをすることが正当な学習だと錯覚している場合も見受けられます。

 

件の生徒さんは多分時間内で課題文を処理できず、パニック状態になっていたのだろうと推測されます。(このことは生徒さんからの聞き取りや、その後の授業でも実証されました。)

 

このような症状の生徒さんはたくさんいます。多分世の国語の先生方は「ゆっくり文を読め」や「要約やまとめを文章にしなさい」などのトンチンカンな処方箋を出すように思われます。

 

では、どうするか?

 

次回ご説明いたします。

さあ夏期講習①(問題の焦点)

こんにちは「つくば国語塾」の塾長です。もうすぐ夏休みです。皆さん(或いは、皆さんのお子さん)はこの夏休みに何をしようとしていますか?

 

国語(現代文)は問題(課題)を解いていけばできるようになることはありません。そんなことが可能ならば、こんなに国語で悩んでいる人はいないでしょう。

 

ではどうすれば国語ができるようになるのでしょうか?

 

そのことを考えるのが今回の目的です。

 

国語ができるようになるためには、段階的にレベルを突破することが必要だと思います。筆者はそのレベルを以下のように考えています。

 

①「読み書きレベル」(音読・漢字等)

  ↓

②「基礎文法的レベル」(主語・述語・修飾・品詞等)

  ↓

③「読解力レベル」(論理・語彙・思想背景等)

 

例えば大学受験の主戦場は「読解力レベル」のように感じますが、それ以前のレベルで問題を起こしている生徒さんが多々いらっしゃいます。茨城県の高校入試なら「読解力レベル」は必要ないかもしれません。中学受験で無理矢理問題を解いていると、段階を踏まずに行うため、国語そのものが考える力の養成ではなく、暗記に偏りがちとなり、国語嫌いの温床となることも否めません。

 

新井紀子氏の著書「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で述べられている、日本語が読めない若者は増加しているように感じます。何が影響しているかは明確にはわかりませんが、ただ単にスマホなどの影響として捉えることよりも、中受など小さいころからの大量の日本語処理による飛ばし読みの方が問題が深刻なのではないかと考えています。

 

読む→考える→読む→考える→読む→考える→読む→考える 

無限ループが頭を鍛えるのは当然の帰結です。

 

大切なことは、自分自身のレベルを見極めることです。特に①と②のレベルに自分がいるのであれば、必ず声を出しながら毎日訓練することです。

 

①②のレベルの判定方法と訓練方法は次回にご説明いたします。